皆さんこんにちは。
前回は海外に住む子どもへのバイリンガル育児の一つとして、1~7歳までの母語(日本語)教育についてお話ししました。
今回は7歳以降の子どもにどうやって母語(日本語)教育を行うかを年齢別にお伝えしようと思います。
7~8歳の母語(日本語)教育
漢字の学習のスピードアップ
この学年では小学2年生の漢字を教えます。
今学年は80字の2倍の160字なので、少し学習のスピードを早める必要があります。
教え方は6~7歳の頃と一緒で、主にこれに注意して教えて下さい。
- 漢字の読み方
- 漢字の書き方、意味、成り立ち
- 漢字は熟語や短文で覚える
漢字の成り立ち、言葉の意味は引き続き国語辞典、漢字辞典を使ってくださいね。
今回は上記の基本を踏まえながら、少しスピードアップします。
具体的な方法は下記のとおりです。
- 一回に覚える漢字を増やす。
- 今年度は1年掛けて教えるのではなく、10ヶ月で終わらせて後の2ヶ月は復習でアウトプットをメインにする。むしろテストなどでアウトプットだけにする。
ミニテストで新しく習った漢字をアウトプット
前回の記事に書きましたが、
子どもの漢字学習効率は、その日習った漢字をどれだけアウトプットするか
で大きく変わります。
そのため、その日の漢字を習い終わったら、ぜひミニテストをして下さい。
この頃の進出漢字についてはまだまだ親がその場でテスト問題も作れますし、もし問題作成が難しい場合は、インターネットでも無料でダウンロードできます。
間違った漢字は自分の力で辞典で調べる習慣づけを
間違った漢字に関しては、今までと同様に
- 国語辞書で意味を再確認
- 漢字辞書では漢字の成り立ち、書き順など
を確認しましょう。
この頃から自分の力で漢字辞典・国語辞典をひけるようにしておけるようにしましょう。
それが今後の自分の力で学習できる土台となって来ます。
最初はゆっくりでしか辞典は引けませんが、何でも最初は時間がかかるものです。
意味を確認したら何度か練習して頭に入れられるようにしておきましょう。
ミニテストをするのもかなり効果的です。
空いた時間で読書を楽しんで
この年齢くらいになってくると、読み聞かせより自分で本を読みたがるようになります。
私のオススメは新見南吉さんや宮沢賢治さんなどの著名な作品です。
でも子どもによっては青い鳥文庫のもうちょっと軽く読める方が好きかもしれません。
基本的には子どもが読みたい本を読ませると、更に読書への関心が高まります。
どうしても読む本分からない時は、上に紹介した本を試しに読んでみて下さいね。
日本語の本が手に入らない時はKindleがオススメ
海外でどうしても日本の子ども向けの本が手に入らない方は、Kindleがオススメです。
実際我が家もKindle端末を購入し、もう2年以上毎日使っています。
目に優しい構造になっているので、目が疲れにくいです。
Kindle端末+KindleUnlimitedのセットが一番のオススメ。我が家もそうしています。
8~9歳の母語(日本語)教育
小学校2年生よりも更に学習スピードアップ
この年は小学3年生の漢字を習います。
やり方としては今までと一緒ですが、
- 200字になるのでさらに習う速度を早めます。
- 大体4ヶ月で新出漢字の発音、書き順、基本的な短文・熟語を覚え、その後は応用的な短文や熟語を学びミニテストをしていきます。要するにアウトプットが主となります。
- 「子どもはアウトプットすることで覚えていく」と言っても過言ではないと思います。
私の日本語の教え方については、下記の記事にまとめています。
出来るだけ丁寧に書いたので、ぜひ読んでみて下さいね。
ここでは小学校4年生と書いていますが、小学3年生の漢字についても同じ方法で教えることは問題なく出来ます。この方法で行けば大体4ケ月で全部の漢字を覚えるのもそんなに難しくないです。
ここでの肝は、
動かすべきところは手ではなくて頭(脳)であり、ボーっと書いたところで何の効果もなく、覚えもしない
です。
文章読解や作文の時間を確保する
そうして早々に新出漢字の学習を終わらせて、その残りの時間を文章読解問題や作文の勉強の時間に充てます。
文章読解はこの「陰山メソッド徹底反復文章読解プリント」がコンパクトでオススメです。
海外在住だと日本語を教える時間もどうしても限られてしまいますからね。
この宮川式10分間作文らくらくプリントは、書く楽しみを教えるものです。
実際我が家の娘もこれを使って楽しく作文をしています。
欠かせない読書の時間
この頃になるとすっかり自分の力で本を読むようになります。
今まで読み聞かせで口が疲れたと思っていた方、本当にお疲れさまでございました。
私もその1人なので、この解放感はかなり爽快です!
引き続き、子どもが興味を持ちそうな本を揃えてあげて下さいね。
もし日本語の本が近くで見つからない方は、上でも書きましたが、Kindleがオススメです。
9歳以上の母語(日本語)教育
新出漢字に関しては前年度までの方法を
小学4年生やそれ以降の該当学年の漢字を習います。
やり方としては各学年大体200字ですが、これを3ヶ月くらいで書き方の練習を終わらせます。
そして後の9ヶ月は熟語や短文をどんどん覚え、ミニテストを行い、アウトプットしていく期間とします。
方法は上でもお伝えした、この方法です。
漢字を覚える際に動かすのは頭(脳)であり、手ではありません。
いや手も絶対的に使いますが、頭を使わない練習はただの時間の無駄とも言えます。
(あ、言っちゃった!)
脳からのアウトプットをすればするほど、習った漢字も覚えていくので次第に時間に余裕が出来て来ると思います。
その出来た時間を使って文章読解問題、作文の時間にします。
現地校に通う期間はなかなか時間が取れませんが、例えばスクールホリディの期間で集中的に行うのも良いですね。
また我が家では9歳以降は「陰山メソッド 徹底反復 文章読解プリント 宮沢賢治編(陰山英男の徹底反復シリーズ) 」を使っていました。
小学5年生から母語(日本語)を教えるのもかなり楽になる
小学校4年生までの漢字を教えられ、それが子どもの身についていれば、小学5年生の漢字からはグッと教えるのも楽になります。
もちろんだからと言って、間違える数が激減するという事はありません。
普通にどんどんと間違えます。
しかし漢字一文字一文字の音読み訓読みが何となく分かって来るし、何より偏やつくりの基礎知識がもうあるので、自分にも身に覚えのある間違え方になってくるんですね。
小さい頃「熊」と「態」と「能」を間違ったりしませんでしたか?
商売にまつわる事だからと言って「消費税」を「商費税」とか書いたりしませんでしたか?
そんな間違え方です。
ここまで来たら、教えるのもぐっと楽になります。
ぜひ頑張ってください、いえ、同じ親同士として、一緒に頑張りましょう!
母語教育について、年齢別教え方まとめ
具体的に説明してきましたが、端的に纏めると以下が大切なポイントとなります。
- 漢字を学ぶ時は、まず読み方から
- それから書き順を学び、意味や成り立ちなど漢字辞書や国語辞書で学ぶ
- 漢字を覚える時は熟語や短文でまとめて覚える
- その後すぐにアウトプット。ミニテストを何度も行う
- 何度もアウトプットさせることで脳に定着させる
- その後読書を楽しむ。
- 時間があれば文章読解問題や作文も行う
母語教育について親が注意すべきところについては続編で
次の記事では、日本語を子どもに教えるにあたって、勉強以外で親が注意すべきところについてお話します。海外で子どもに日本語を教える方の助けになると幸いです。
その他の母語(日本語)教育、バイリンガル、ダブルリミテッドについての記事
その他、母語教育、バイリンガル、ダブルリミテッドについての記事はこちらをご参照下さい。
お役に立てると嬉しいです。
コメント