英語学習に勤しまれている方々には興味のある話題をツイッターで発見しました。
それは日本の学校で出された英語の問題(どこの学校なのかは不明です)。
その学校ではカタカナ交じりの英語が出題され、そのカタカナ部分を英語で答えるという内容でした。
学習者が永遠に英語が上手くならないテスト問題。できない人の、できない人による、できない人のための英語教育がこちらです😊 pic.twitter.com/xkzdPhxQ2w
— Tom@NZの学校 (@tamon8164) March 17, 2020
ご覧の通り、投稿者からも、またそのリプライからも酷評の嵐。
私もこの出題形式に笑ってしまったのですが、その直後
「本当にネイティブには、全く伝わらないのか?」
という疑問も抱いてしまいました。
抱いてしまったのなら、検証するしかありません!
私の友人のネイティブにどの程度通じるのか訊いてみました。
日本語が話せないので、このテストのカタカナの部分は全く読めません。
完全に私の発音から推測しての回答になります。
カタカナ英語はどの程度ネイティブに通じるのか
このテストのやり方としては、私が友人の前でこの質問を読み上げます。
英語は(私が頑張って)英語風に、カタカナはカタカナ風に読み上げてみました。
友人はそれを聞いて、どんな英語を言いたいのかを当てて貰うゲーム風です。
改めて問題は以下の7つです。
- Let’s シンガソン
- It’s cold イズンニ?
- I’ll コーリャム later
- ヤフタ be careful
- ドウヤヴァ pen?
- ワリャーdoing?
- “Are you tired?” “ノラロール”
Let’s シンガソン

“Let’s sing a song!”
これは全く問題ないという表情でした。
寧ろ「え?日本語言ってた?」みたいな顔すらしていました。
意識して「シ」の部分を”shi”にしていたにも関わらずです。
恐るべし!ネイティブパワー。補完能力高すぎ。
※今気が付きましたが、最初の問題は「スィンガソン」だったんですね。
私が勝手に難易度上げています(笑)
(ちなみに本題とは全く関係ないですが、吹き出しの絵と実際は見た目が全く違います)
It’s cold イズンニ?

“izun-ni…ah, It’s cold, isn’t it?”
友人は何度も「イズンニ」を自分で繰り返して考えていました。
答えが出るまで2秒ほど掛かった様子。
私もはっきりと母音を意識して文章を読み上げたせいか、友人には少し理解が難しかったようです。
I’ll コーリャム later

“….Just leave it, come back later”
これには全く分からないという様子でした。
いや即答で冒頭の返事になった訳ではなく、何度も何度も自分で「コーリャム」を繰り返したけれど、やっぱり分からないから後で考えようという流れです。
ちなみに「これじゃないと思うけれど…」と前置きした上で
“I’ll call you later”
と答えましたが。やっぱり取り消し。
ヤフタ be careful

”You have to be careful!!”
これは即答でした。
そして「これはね、You have to の部分を早く言うとこんな感じの発音になるんだよ」と丁寧に解説までしてくれました。
ただ、私がうっかり「ヤ」にアクセントを置いてしまったから分かりやすかったかもしれません。
もしかして「フ」にアクセントを置いたら変わっていたかも。
なまじっか英語を知っているとこういう時不便です(汗
ドウヤヴァ pen?

”…Do you have a pen?”
私が読み上げるとき、わざと日本語らしく発音してみました。
一言一言ハッキリと言ってみたんですね。
そうしたらやっぱり友人は何が言いたいのか全く思いつかず、数秒考えていました。しめしめ。
まぁ結局は分かったんですが。ネイティブパワーすごいです。
ワリャーdoing?

”What are you doing?”
これは全く問題なしに即答でした。
今度から私もワリャーdoingって言ってみようかな。
“Are you tired?” “ノラロール”

”Not at all?”
これは少しだけ時間がかかりました。
最初、何かのrollだと思ったような雰囲気でした。
やはり子音を拾えないのは彼らにとっては難しいのかもしれません。
考えて見れば「ノラロール」の「ラ」は”r”から始まるけれど、”not at all” には”r”の発音がありませんしね。難易度高いのも分かります。
≪2回目≫I’ll コーリャム later
さて全問を答え終わったところで、2回目 ”I’ll コーリャム later”です。
これにはかなり時間を要しました。
最終的に「これかなあ…」的な態度で出してきたのが

“…I’ll call them later”
しかし、them はカタカナで「ゼム」であって、”r”の音は全く入っていません。
これ本当かなあ?とネイティブに対して疑う私(笑)
ということで早速質問してみました。
「そこに”r”の音がないけれど、どうしてthemなの?」
そうしたら友人はメモ帳を出してこう説明してきました。
「I’ll call them laterの”call them”は早く言うと”call ’em ”になって”th”の音がなくなるからだよ。」
「それを速く言うと”call”の最後の”l”の音と”em”の”e”が一緒になって、”le”になるから、“Call ‘em later”がコーリャムになるんじゃないか。」
なるほど。
ネイティブの説明はとても納得のいくものでした。
カタカナ英語、ネイティブ2人目にも訊いてみた
たまたま近くに他のネイティブの友人がいたので、その方にも訊いてみました。
結果としては、
- ヤフタ be careful
- I’ll コーリャム later
がどう考えても分からないということ。
コーリャムについてはやはり”I’ll call you…?”と全く自信なそうな様子でした。
カタカナ英語の是非
今回こうやって周りの英語ネイティブの方に質問する機会に恵まれ、実際に質問出来たことは本当に良かったです。カタカナ英語がどの程度通じるのか具体的に知る事が出来ました。
しかしこの質問を通して、学校でのカタカナ英語は果たして必要なのかを改めて考えさせられるきっかけになりました。
全く英語を習ったことのない生徒からすると、目の前の英単語をどう発音するのかが全く分からない状況になることはよくあります。そういう場合、ある程度のカタカナ英語は必要悪というか、良くはないけれど致し方ないところはあるのかなと思ったりしています。
しかし先生側としては、こうやってネイティブにすら通じないカタカナ英語をツールとして使ってしまうのは、果たして本当に良い方法なのでしょうか?
私にはやはり良くないように思えるのですよね。
先生方がカタカナ英語を使わざるを得ないのならば、せめてもっと発音に忠実なカタカナ英語を使ってほしいなと思った次第でした。
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