観察するために
先日とあるところに出かける用事があったのですが、ちょっと待ち合わせ時間まで余裕があったので、近くの広場で夫と何となく話していたんですね。
その直後、娘は近くにあった岩に走り寄ってはカバンから何かを取り出し、そしてそれを岩に当て始めました。それに気づいた私達はどうしたのかと思い、娘に近寄って様子を確認したんですが、娘はこんな事をしていました。

岩を虫眼鏡越しに見る娘
虫眼鏡で岩を観察していたんですね。
「苔って虫眼鏡で見ると黄色いんだよ」
興奮して伝えてくる娘。
外にあるものをこうやって観察できるように、いつもこの虫眼鏡を携帯しているんだそうです。全然知りませんでした。8歳の娘の観察意欲がいつか大きな実を結びますように。

掃除機をかける娘
学区制を止める提案?
ACT Partyの党首David Seymourがこのような旨を発言しているそうですね。
彼は文部省の下院議長みたいなものをしているそうです(政治の仕組みをまだ理解していないのですが、以下のような説明文がありました。”Parliamentary Under-Secretary to the Minister of Education”)。

内容としてはDouble Grammar zoneに住んでいる人が多すぎるから、改善案を考えた方が良いという旨です。選択肢としては、学区制を廃止する、学区区分を変更する(今の学区区分は公平ではないとの見方)か新しい学校を設立してどこの学校に行くか選べるようにする、もしくはGrammar schoolの下のGrammar middle schoolを置くというモノのようです。
現在の学区についての状況
Grammar schoolというのは日本で言うと中学~高校に当たる年齢の子供が通う学校です。ここでニュージーランドの教育制度について少し説明しますね。
ニュージーランドの学校は日本と同じく学区制を取っています。近くの子供たちがその学校に行けるわけですね。
何故Double Grammar Zoneに人気が集中するのか
ちょっと話が逸れますが、日本と違うのはニュージーランドには教育指導要綱がないんです。私が知らないだけで、実際あるのかもしれませんが、実質「ない」状態です。
なので子供が何を学校で学ぶかは、その担任の先生に大幅に依ってしまうところがあるんですね。その先生が使命感に燃えている方なら良いのですが、そうでない先生がいるのも悲しいかな事実です。そういう先生がついてしまった場合は、もう「ついてなかった」としか言いようがありません。
聞いた中では(自分が)ちゃんと休みを取るため、取らないと家族に不満をこぼされるため、自分の生徒に全く宿題を出さない先生も居るそうです。だから親は子供が一体学校で何を勉強しているのかさっぱり分からないんだそうです。ところ違えば事情も違うんですね。
また学校単位でどういう教育をしていくかも違ってきます。こちらNZの学校はDecile制をとっていて、それは通学してくる子供の世帯の年収をもとにランク付けをしているんです。一番上が10、一番下が1となっています。要するに10はお金持ちばかりが通う学校ですね。
全部が全部とは言いませんが、やっぱりお金持ちが多い所は教育も比較して質の高い所が多いです。もちろん教育の内容、受けられる授業の数が違ってきます。そこで教育にお金を掛けられる人はこういう学校に行けるように、その学区内に引っ越そうという動きが出て来るんですね。
最近それがかなり過熱化してきています。中でもDouble Grammar zoneというフレーズでお馴染みの地域は、結構な人気を誇ります。みんながそこに住みたがるんですね。
Double Grammar zoneというのはGrammar Schoolで男子校・女子高が所在している地域です。この学校はニュージーランドの大学の他、イギリスの大学に行けるような授業も履修出来るのがやっぱり親御さんの心を打つのでしょう。お金持ちや、やっぱり少しは良い教育を受けさせたいというご家庭は汗水流して、この地域に住もうとします。この動きがすごく強まってきています。
ここで大きく潤ってくるのがこの地域の不動産屋さんです。要するに需要が高いから高い値段で貸せるんですね。日本円で言うなら月20万円は軽いです。
建付けも良くないし、狭いのに、皆が住みたがるから高いんです。ニュージーランド全体、ことオークランドは元々地価の高騰に悩まされていますが、このDouble Grammar zoneは更に高騰し、それが地域住民の不満を大きく呼んでいるのが現状です。
そしてこの記事
O’Connor said another problem was house prices and rising rents driving families and teachers to more affordable areas, and that “concerns me greatly”.
理由のひとつではありますが、学校もこれを懸念しているようです。
私的にはこの提案はすごく好意的に見ています。私も少なからずこの学区制に疑問を持つひとりです。今後がどうなるか、今後の動向を追っていきたいなと思います。
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